良ちんの『日常を旅するブログ』
土地家屋調査士 斎藤良一が、旅や映画、読書等日常をつれづれなるままに書き綴るブログ
侍屋敷

ある地権者の方から土地の相談を受け現地を見てきました。そこはかつてご自宅があったところなのですが、今は荒地になっております。ところがそのかつてのご自宅は、明治初期に建てられた、いわゆる侍屋敷だったそうです。今日は侍屋敷について書いていきましょう。


宅地部分が150坪ぐらい、隣接する畑が200坪ぐらい、宅地の前にある元田んぼが600坪ぐらいあるでしょうか。この一画がかつての侍屋敷だったそうです。侍屋敷といっても、大名屋敷のようなものではなく、イメージとしては、映画「たそがれ清兵衛」の屋敷のような、小さな家と畑、田んぼがあるという感じです。すなわち武士といっても、農地を耕し自給自足の生活をする武士だったのでしょう。この屋敷は昭和40年代まではあったそうなのですが、ゆえあって、仙台に引越し、かつての屋敷は壊し現在の状態になったそうなのです。


しかし、かつての侍屋敷の痕跡はとどめています。井戸があったり、防風林があり、小さな小川が流れているのですがここに洗い場があったりします。防風林ははば10mぐらいある立派なものであり、竹林や杉、栗の木などで覆われていました。


地権者さんの子供のころの話が良かったです。この古い屋敷の間取りを書いて説明してくれました。三つの部屋(ここに寝る)以外に納戸があり、台所と居間があり、さらに土間があります。土間には薪で炊くかまどがあったそうです。屋根はかやぶきです。この屋敷の右隣には、作業場があり、そこでは蚕を買うための蚕棚があったそうです。さらに屋敷の裏側には観音様があり、正月以外にも月一回だんごをあげる日があったそうです。地権者さんは、懐かしそうにかつての屋敷跡を見てまわっていました。「子供のころ楽しかったなあ。正月なんかは楽しみでしょうがなかったですよ。」


周りはかなり宅地開発が進んでおり、ここがかつての侍屋敷と知る人も少なくなっているでしょう。しかし屋敷の痕跡は今もとどめているのです。ぶ厚い防雪林や井戸、小川の洗い場に、何よりも地権者さんの子供のころの記憶の中にしっかりと生きていたのでした。


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【2006/12/19 19:26】 | 日記 | Author:斎藤良一 E-mail:info@estate-consultant.jp