良ちんの『日常を旅するブログ』
土地家屋調査士 斎藤良一が、旅や映画、読書等日常をつれづれなるままに書き綴るブログ
お彼岸と虫の音

お彼岸に墓参りをしてきました。お彼岸って言う言葉の響きがなんか良い。ところであんなに暑くてうだるような夏がいつの間にか、お彼岸ですからね。早いな。早すぎる。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を激しく実感する日々です。このお彼岸が近づくと虫の音が騒がしくなり、お彼岸を過ぎると虫の音がだんだんと静かになる。これもおもしろいですね。この虫の音に対する日本人の感覚もおもしろい気がする。
先ほど虫の音が聞こえるころになると、「あれ、お彼岸が近づいているのかな」と思ってしまう日本人の感性について話しましたが、そうなんですよね。日本人って言うのは、「虫の音に聴きいる文化」を持っている世界にもまれな民族なんですよね。
「リン リン」 「チンチロリン」 「スイーッチョン」・・・
外国人は虫の音を雑音や機械音として聴く。つまり騒がしい騒音として右脳で受け止めてしまいます。ところが日本人は虫の音を聴き入り擬音化してしまう。日本人は虫の音を左脳、すなわち言語脳で受け止めるからなんだそうです。こういった脳構造を示すのは、日本人とミクロネシア人だけだそうです。やはり日本人のやさしさっていうのはこういうところにも表れているんだな。
虫であっても「生きとし生けるもの」への共感を持っているという感覚が。
お彼岸は虫以外にももう一つの特徴を持ち、我々日本人にある情緒をもたらしますね。お彼岸って春分の日、秋分の日といい、ちょうど昼と夜の時間が同じになる日です。それは太陽が真東から出て、真西に沈む日でもあります。この真西に沈む日であることから仏教的な「西方浄土」すなわちお彼岸って言われたんだろうと思います。この昼と夜の時間が同じになったということから、我々は「夏は終わったんだ」という感慨にふけるわけですね。
しかし、古代の暦法を調べると「春秋暦」であったというのも驚きです。春秋暦とは、春分の日から始まり、秋分の日の前の日までで一年とし、秋分の日から春分の日の前の日までで一年。すなわち今の一年を過ぎると二年、年をすごすことになるというものらしいです。
だから日本書紀などに出てくる天皇の年齢も125歳とか不思議な年齢になってますが、この春秋暦で考えれば謎が解けることになります。半分にすれば良いわけですから。
いずれにしても古代から、このお彼岸の日、すなわち昼と夜の長さが同じの日って言うのは超重要だったようです。
日本人はかつてお彼岸を軸に日を数えていた。日本人の情緒もお彼岸で季節をとらえていた。特に秋のお彼岸は虫の音が騒々しく鳴き、そしていつのまにか聞こえなくなり秋が深まることから。
家に帰るところの雑草からも、まもなく虫の音が聞こえなくなってくるのであろう。
芭蕉の句にこういうものがある。 「この道や 行く人なしに 秋の暮れ」

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【2007/09/24 12:15】 | 日記 | Author:斎藤良一 E-mail:info@estate-consultant.jp