| 柏木の偉人 |
先日、仙台暦を作った仙台藩の天文学者、戸板保佑(といたやすすけ)についての話を聞く機会があった。とても興味深い話だったので、今日はその話しの一端を紹介することにしましょう。
私の先生からも戸板保佑のことは聞いたことがあったのですが、改めて戸板保佑の偉大さを知りました。例えば、仙台市天文台の入り口には、「象限儀」(星の高度観測をする器械)や星の位置を測定する古い器械がありますが、あれこそが仙台藩の天文学者・戸板保佑が設計し作ったものだそうです。これらはとても価値があるらしく特に星の位置を測定する器械で現存するものは、この一品だけなんだそうです。 一般的に江戸時代で有名な天文学者というと、伊能忠敬の師匠である高橋至時や渋川春海などが上げられるが、どうしてどうして、この戸板もなかなか素晴らしい天文暦学者だったようです。
柏木の自宅で、これらの天文測量機器を使い観測すること20年、多くの観測記録や書物を著わし、その名声は遠く京都まで伝わったという。京都には当時、代々、暦博士の土御門家がおり彼に招かれて、渋川春海などとともに一緒に宝暦の改暦つくりに参加。その実力のほどを見せ付けた。また、観測機器がある柏木の自宅に、伊達のお殿様がわざわざ訪れて天覧をするという栄誉にも浴された。また天文学だけでなく、和算家としても有名で、さらには「仙台実測誌」を著わしているところからみて、地上測量でも活躍したのかもしれない。 生涯で著わした書物は約900冊。その中には三角関数表を研究した書物もある。
しかし、私が最も驚いたのは、そういう偉大な天文学者が、柏木の自宅で20年間も観測をしていたということ。さらにはそこには今も、子孫の戸板家があり、江戸時代からあるという松の木もそのまま現存しているという事実に驚いた。その位置を住宅地図で眺めてさらに驚く。 かつて私の勤めていた測量会社の駐車場の斜め向かいではないか。あの時は何も知らずにその前を歩いていた。(当然だが)
仙台藩の誇る偉大な天文学者・戸板保佑は意外にも、柏木で天文測量をしていたのである。この近さに一番驚いた。 *ちなみに、東京にある戸板女子短期大学とは、戸板保佑の孫娘が明治時代に開いた大学である。
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