正月に母親から聞いた話がおもしろかったので紹介しましょう。なんでも、昔はお正月を二回行ったというのです。すなわち現在の1月1日の元旦にも新暦のお正月ということで小規模のお祝いを。次に2月の今頃の季節に旧暦のお正月のお祝いをしたらしいのです。この旧暦のお正月こそが、田舎の方では本番であり盛大なお祭りだったそうです。 しかも旧暦のお正月は新暦に換算すると、一月の下旬のときもあれば、二月の初旬、あるいは二月の中旬ありと、その幅は20日以上あり、なんともややこしく不思議な感じがします。 なぜかといえば、立春に一番近い新月の日が旧暦の1月1日に相当するためにこのような幅があるらしいのです。いずれにしても昔の日本人は「月の運行」を基準に一年を過ごしていたことになります。お正月を新春という言い方がありますが、まさしく現在の2月初旬から中旬にかけてであれば本当に「新春」という感じがします。
お正月が二つあるということは、我々の誕生日だって二つあるということです。私は3月12日生まれですがこれは新暦なわけで旧暦で言えば2月1日あたりでしょう。 昔はすべて旧暦だったということを考えれば、我々はいろいろな誤解をしていることが多いかもしれません。例えば、芭蕉の名歌「五月雨の あつめて 早し 最上川」があります。五月の山形だったらまだ春であり肌寒い感じがします。しかしこれは旧暦の五月ですから新暦に換算すれば6月の中旬過ぎです。すなわち夏です。これで一気にこの歌のイメージが変わってしまいます。 肌寒い春を読んだ歌ではなく、夏を歌ったものだったのです。 歌だけでなく昔から伝わるものすべてが旧暦でいってるのでしょう。例えば5月5日の端午の節句、7月7日の七夕、これらも旧暦でしょうから新暦換算で言えばそれぞれ6月中旬、8月中旬になります。そういう意味では仙台七夕は案外正しい時期にやっているといえなくもない。
いずれにしても日本は昔から「お月様の運行」を基準に生活をしてきた。節分、八十八夜、中秋の名月、お彼岸、十三夜、七五三、大晦日・・・などがあり優雅でゆっくりとした日々をおくっていたのかもしれませんね。
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