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良ちんの『日常を旅するブログ』
土地家屋調査士 斎藤良一が、旅や映画、読書等日常をつれづれなるままに書き綴るブログ
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桜の樹の下で
テレビで津波から命からがら逃げて助かった若い女の子が話していていて涙が出た。一緒に逃げたはずの親が最後は津波にのみこまれてしまい命を落としたという。
一瞬振り向くと津波にのみこまれたお父さんがまるでさようならと手を振っているようにも見えたと話す。

このとても悲しいインタビューを見ていたら、数年前に見たある映画を重ね合わせてしまった。
それは「夕凪の街 桜の国」という映画だ。
麻生久美子が好演をしていた映画であり、物語は原爆後の広島で始まる。
自分以外の家族は全員原爆で死亡し、自分だけが生き延びたことに負い目を感じている女性が主人公だ。
しかし戦後となり会社員となった女性は、会社の男性同僚からプロポーズされる。
この時も映像は突然、川に死体が折り重なって流れる情景を映し出し、心が揺れるさまを映し出す。
この心模様で重要な役割をするのが美しい桜なのである。二人は桜の樹の下で合い、次に桜の樹の下で逢うとき結婚の承諾をするはずであった。だけど原爆症を憂慮し逡巡し、結局女性は桜の樹に行くことは永遠になかった。その後、女性は症状が重くなり、口もきけなくなり耳も聞こえなくなり死んでしまう。
でも男性はそれからも長い人生を桜の樹の近くでずーっと待ち続けるのである。
映画は二部構成であり、ここから突然現代になる。
その女性の姪が今度は主人公となり、あることが縁となって自分のルーツを探る旅をするなかで原爆症の女性の生きざまを知ってしまう。そしてあの桜の樹のちかくでずーっと待ち続けるすでに老人になっている男性のことも。
確かこんな感じだと思うのだ。
印象深かったのは、ラストの映像である。二人が逢っていた美しい桜が見事に咲いているところを歩いて終わるのである。

すなわちこの映画のメッセージとしては、この女性の人生は美しく、同時に悲しく、恐ろしい目にあった。だけどどんな絶望的なところにも一筋の希望というか光明があるのだ。その象徴こそが美しい桜なのである。

ということで今日は家族を亡くされて悲嘆にくれている方々に桜に関する名歌を送ることにしよう。(何の助けにもならないだろうけど。)

花見サクラ石切


願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃   ・・・西行

花見サクラ自宅 

ふるさとの 花のさかりは すぎぬれど 面影さらぬ 春の空かな  ・・・源 経信


花見桜八幡 

あだにのみ 移ろひぞゆく かげろふの 夕花桜 風にまかせて   ・・・一条実経

花見サクラ自宅 

行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花や今宵の 主ならまし ・・・平 忠度

花見サクラ 

待てと言ふに 散らべしとまる ものならば 何を桜に思ひまさまし  ・・・読み人知らず


桜ってなんとなく死も連想させるけど、それはパッと咲いてぱっと散る、その散り際が、突然の死とだぶらせるからだろう。
武士や特攻隊員の辞世の句には桜がたくさん使われているのもそうだろう。
今回の巨大津波で亡くなられた方も突然の死であり、残されたご家族としてみればどう考えても釈然としないだろう。
その思いを、あえてパッと散る桜に重ねて、ご家族の死を悼む以外にないのも悲しいが。

最後に西行の歌を贈ります。ぜひこの歌のようにお仏様に桜の花を愛でながらたてまつってくださいね。それこそが供養になると思うのです。桜が満開の仙台より。

仏には 桜の花をたてまつれ わが後の世を人とぶらはば  ・・・西行
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