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良ちんの『日常を旅するブログ』
土地家屋調査士 斎藤良一が、旅や映画、読書等日常をつれづれなるままに書き綴るブログ
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地図もウソをつく
最近読了した本に「地図もウソをつく」があります。
なかなかおもしろいコラムがいくつか載っていたので、今日はこの本の内容について書くことにしよう。

地図はもちろん嘘つきに決まっています。地球が回転楕円体であるのに、その一部を切り裂き、それも平面にして書くわけですから、現実とは違うのは当たり前です。
例えばメルカトル図法は角度を重視した、いわゆる正角図法です。角度以外は現実と違っている部分もあります。これも嘘つきと言ってしまえばそうなのですが、要は使い道によって現実のある一部をどう表現しているかという問題です。

この本のコラムの最初のものが、地図の図幅の問題です。
例えば25000分の一地図で、沖縄の西表島のある地図では、上辺の図幅が=50、72cmあり、下辺の図幅が=50、76cmあり
微妙に違っているということです。
さらには、北海道の稚内での25000分の一地図では、上辺の図幅が=39、12cmあり、下辺の図幅が=39,18cmとありやはり違っているということです。
問題は、図の上と下でも長さが違っていますが、北海道と沖縄ではそもそもが図幅の長さが11cmも違っているという事実です。
驚きました。

図幅は、基本的に経度差が、7分30秒で統一されて書かれているそうですが、当然緯度がぜんぜん違う北海道と沖縄ではこの経度差に合う図幅が違ってくるのです。
地球が丸いということがこういったところからもわかるのです。

もう一つ驚いたコラムが、札幌の地図です。
札幌は明治二年に新たに政府によって都市計画が行われたところです。京都をモデルにして作られ、碁盤の目のように整然と並んでいる美しい街です。
著者は地図を眺めていて、奇妙なことに気づいたそうです。
「すすきの」の南西部あたりから、街路のラインが東にずれているらしいのです。
実は明治二年の都市計画における北の基準線は、磁北を採用して地図を作ったのに対して、すすきのの南西部の地図は真北を採用して地図を作ったため、このようなずれが生じているらしいのです。
このずれの幅は約9度だということです。

もう一つおもしろかったのは、「流麗な等高線を疑え」というコラムでした。
北海道の恵庭岳付近の地図が取り上げられていました。この地域は道路が開通したのがかなり遅れたためしばらくは大正時代の地図が使われていたとのことです。
その大正時代の地図の等高線が流麗なのです。あまりにも美しいのです。これははっきり行って測量をしていない証拠です。
この地域は、ヒグマも出るし、道は無いし、急峻な山が連なるところですから、かなり測量作業は難儀したはずです。
こういうところでは、まあ、ありていに言ってしまえば、「適当に等高線を描く」。これしかないと無いと思いますよ、当時としては。

私も船形山系の山登りをしていて、地図上で川の表示が無いのに、現実にあったりして驚いたことがあります。こんな近場でさえも地図の間違いというものはあるわけですから、北海道の危険な山では良くある「嘘」だと思うのです。

しかし、この著者が最後に書いていたコラムは恐ろしい「地図の嘘」なのです。学研トイズの嘘地球儀問題です。
学研トイズは、あるときから嘘の大国、中国で地球儀を作り始めました。労賃が安いからでしょうか。
ここで問題が発生したのです。
れっきとした独立している島である「台湾」を当然のごとく、日本語表記の「台湾」で作りました。当然です。
これに対して、台湾は中国の領土の一部だと叫ぶ「ならず者国家」からクレームがつき、言うとおりに作らなければ出荷をさせないと脅されてしまったのです。
この脅しに屈して、ついに学研トイズは、言いなりになって地図を作り直したのです。世界に認められていない嘘の地図をです。
しかも台湾のところにタッチペンを当てると、国名が出て「中華人民共和国」、「首都北京」と表記されます。
ひどい話です。台湾の人たちが怒り始めました。世界中から学研トイズに抗議、クレームが殺到しました。
「なぜ嘘の表記をするのかと」

結局、学研トイズは高い代償を払わされました。世界中に販売してしまった嘘の国名が乗った地球儀をすべて回収することになったのです。
今現在、中国での生産はやめてしまったようです。
「地図は国家なり」、この言葉を再認識すべきです。地図の表現をめぐって血みどろの戦争が起こります。地図を甘く見てはいけないと思います。

しかし20年後、小学校で習う地図帳を広げると、米軍がいなくなってしまった沖縄は、すでに日本の領土ではなくなり、ある国の一部と表記されてしまう仮想現実だって考えられるのです。いやなことですが。

地図は国家の生命線の一部です。そのことを深く考えさせられるコラムでした。
そこで思い出したことがあります。戦前においては、地図はすべて陸軍が作っていました。国土基本図においては。
やはり国家の生命線であり、重要なものだという認識があったからなんでしょうね。

陸軍・陸地測量部、めっちゃすごそうだね。彼らはがんばって、測量をし続けたんですよね。剣岳の柴崎芳太郎のように。

陸軍陸地測量部の隊員たちを尊敬し、戦前、陸軍記念日だった3月10日に記す。

私の本業のホームページ:不動産法コンサル・サロン http://www.estate-consultant.jp

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【2010/03/10 18:44】 | 日記 | Author:斎藤良一 E-mail:info@estate-consultant.jp


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