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良ちんの『日常を旅するブログ』
土地家屋調査士 斎藤良一が、旅や映画、読書等日常をつれづれなるままに書き綴るブログ
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嫁隠し柱とジョイ?そのノスタルジーな世界?

旧洞口家 
旧洞口家2 名取市にある旧洞口家住宅(文化財指定)約80坪、ここの嫁隠し柱は太さ約40cm

先日、岩手県遠野出身の方と話をする機会がありました。
会話の中で「ジョイにみんなで集まってさ・・・」「ジョイでどうのこうの・・・」というようにジョイ、ジョイとわからない話をするので、
私は「ジョイってなんですか?」と聞いてみた。
するとジョイとは「常居」じょういのことで、意味は茶の間や居間のことをいうらしい。じょういを縮めてジョイとつい言ってしまうのだという。
ということで今日は、古民家に関することを書くことにしよう。

先週は仙南の地権者さんのお家に行ったのですが、そこの家はそれほど古いわけではなく昭和46年ごろに建てたものでした。
ところが地権者さんは、その前に建っていた古い建物の話をするのです。私が興味を示すと、なんと大雑把な見取り図まで書き始めるのでした。
350年前頃に建てられたものらしく、大きさは約130坪、平屋建てで130坪ですよ、びっくりです。

驚いたことはたくさんありました。まず部屋の数の多さです。それと玄関が二つあり、左側が普通のというか客人が入る玄関、そして右側の玄関が土間に通じる玄関です。その客人が入る玄関から入ると客間があるのですが、その奥が板の間です。
この板の間がとてつもなくでかいのです。24畳?28畳ぐらいあったかもしれないというのです。
この板の間に囲炉裏があって、この家の当主が座る場所でした。

この客間やでかい板の間の右側に広い土間があります。土間だけで60坪以上あったようです。
この客間と土間との間には南北に縁と言う廊下のような板の間がさらにありました。
建物の南側にある縁側とは別に土間との仕切りにある「縁」です。それってナンですかという感じです。

もっと驚くことがありました。土間用の玄関から入ってすぐのところに太い柱がありました。なんとこの太い柱の名前を「ほいど隠し柱」と言ってたそうです。ほいどって皆さん知ってますか?ほいどって言うのは「乞食」のことです。
昔はほいどが米をねだりに農家のうちへ来てたのです。ほいどはもちろん土間のほうの玄関を開けて「米くれ」という顔で哀願してたのです。その玄関を開けてすぐのところの柱を「ほいど隠し柱」というそうなのです。

さらに驚きがありました。土間の一番奥のところに煮炊きをするかまどや流しがありました。水はもちろん井戸から汲んでくるのです。このかまどと先ほどの広い板の間の境目あたりに、その家にとって最も太い柱があったのですが、これがなんと「嫁隠し柱」と呼んでいたそうです。ほいどに嫁隠しですよ。超びっくり。その家にとって最も太い柱である嫁隠し柱の太さはなんと1mを越えていたとのこと。だから子供たちは土間で遊ぶときは、お母さんがそばにいるということもあって、太い嫁隠し柱をぐるぐる回って遊ぶのがよく見られたらしいのです。
この二つの柱以外にも太い柱がありました。丑持柱と大黒柱です。しかもこれら4本の柱は東西南北に配置されていて、その間を十字を切るように太い梁が上に通っていたのです。しかもその太い梁には米を俵ごとつるしていたというのです。
こうしてたほうが、米が虫に食われることがなく、しかもかまどではしょっちゅう火を使っていましたから、適度に乾き蔵に入れているよりうまくなんだあーと言ってました。

しかし一番驚いたのはこういった建物の構造や形のことではありませんでした。なんとそこの地権者さんが昭和30年ごろ結婚したそうなんですが、その古い家の中で結婚式をしたそうなんです。
今だったら結婚式はホテルとかでやることが多いと思うんですが、昭和30年ごろは家でやったそうです。
まず花婿さんである地権者さん一行は10時くらいに家を出ます。そのときはちょうど近くの家で最新式の4トントラックを買ったばかりだったので、そのトラックを借りてその荷台に乗って花嫁を迎えにいくのです。

隣町の花嫁の家に着くと、早速お昼の結婚式というか披露宴、飲めや歌えの大騒ぎ、男たちは紋付の羽織袴に下駄、女たちは着物、しかし近隣のお手伝いさんの数も半端ではなく、完全に村中のお祭り状態になったとのこと。
そしてお昼の披露宴が終わると、今度は先ほどのトラックに、花嫁さん一行も一緒に乗って地権者さんの家に向かうのです。
今度はいよいよ夜の部の披露宴。こちらのほうの村では近くのお手伝いさんも15人ぐらい。それ以外に「まかない」と呼ばれるプロの料理人も三人ぐらい呼んで見事な料理を用意したそうです。
さらに結婚式に大事なのは意外にも「白い紙」を折る「折師」の存在です。

親戚やら近隣の住民など入れるととんでもない数の人たちが来たそうですが、とにかく広い家なので先ほどの客間など6部屋のふすまや障子をはずし、飲めや歌えやの大騒ぎの結婚式だったそうです。
この酒が入ると必ず始まるのが、「けんか」だったそうです。
「その口の立ちかた、なんだ?」ではじまり、おんちゃんたちが外で喧嘩を始めるのです。
この地権者さんの弟さんが別の村に花嫁さんを迎えにトラックで行ったときは、ちょっとトラックが何かを踏んだということで相手方の叔父さんたちからクレームが付けられ、こじれて、それが下で激しい喧嘩となり、なかなかお嫁さんを迎える儀式が出来なかっと言う。

頭にきたこちら側も「それじゃーこの話はなかったことにするべえー」と逆切れするや、さすがに相手側の大叔父たちがあわててきて何とか和解し、事なきを得たという。
それほど当時の結婚式は、熱い親父たちの熱気覚めやらぬ「とんでもない儀式」、村を挙げての大イベントだったというのだ。

うーむ、すごすぎる。ほいど隠し柱に嫁隠し柱、広い土間に客間、それらの間にある縁、この家でやる村を挙げた結婚式、三々九度などに使う折り紙をきれいに折る「折師」、料理人であるまかないの登場、着物に男たちの羽織袴、結婚式ではお約束の親父たちのけんか・・・・・

うーん、なんというか、とても日本的、ものすごく日本的な情緒に彩られていると感じた。
ただそのすべてをなくしてしまった今日としては,ただただ在りし日のノスタルジーな世界を垣間見るだけというのが、なんともまた物悲しいのですが。
最後にこの地権者さんの結婚式でも歌われた、最も日本的で情緒豊かで魂の奥深くまで刺さる結婚式の歌を紹介して今日は終わることにしよう。
日本の結婚式で最初に花婿・花嫁の前を歩く「長持ちのかご」はご存知でしょう。このとき歌われる長持歌ぐらい日本の素晴らしさを伝えるものは無いのです。
「長持歌」の一節より
蝶よなーよ 花よとよー 育てた娘 
今日はなーよ 他人のよー 親に手渡すなーえー
*旅立つ娘への母親の思いを託した情感豊かな歌なのです。

私の本業のホームページ 不動産法コンサル・サロン http://www.estate-consultant.jp

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【2009/12/16 14:19】 | 日記 | Author:斎藤良一 E-mail:info@estate-consultant.jp


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