ある地権者さんと土地の境界のことで打ち合わせを続けていた。その話が終わってお茶をご馳走になりながら、その地権者さんがかつて電信電話局(現NTT)に勤めていたころの話をうかがった。八戸、青森など東北各地に転勤しながら勤められたときのおもしろいエピソードを聞いた。電報の話になり、モールス信号のことや電信を発明したイタリアの科学者のこと、あるいは日露戦争のときの電信、戦前の満州での電信のことなどおもしろい話をたくさん伺った。 さらには、現在においては緊急電報と言うものはなくなったが、電報の課はあり結婚式等の慶事電報は結構多いのだと言う。隣でそれまで黙って聞いていた奥様が思い出すようにある電報の話をされた。 それは、地権者さん夫婦の息子さんが大学4年生のときのこと。息子さんは富山県の大企業への就職を希望し会社回りをしていた。そして早い段階で息子さんは、希望の企業への就職内定を得たのだ。東京の大学に通う息子さんから電話ではなくなんと電報が来たと言う。 そこには次のような文字があった。 「雷鳥の雛が生まれる」 雷鳥とは富山県の県鳥である。その富山県で雛すなわち新入社員が生まれる。と言う比喩である。地権者さん夫婦は、その電報の意味するところを即座に理解し、そして喜んだ。不思議なことに電話よりも強い感動を覚えたと言う。よく大学入学などでも「桜咲く」とか、直接的な表現でなく、こういう比喩をよく使うが、これは我々日本人の特質なのか、いづれにしても、この息子さんもとても素晴らしい表現力だなと思った。 それだけではなく就職内定の場合、あまりおおっぴらに「○○社に内定決定、やっほー」と書いてはまずいため。と言うのもあるのだろう。そのときの素晴らしい電報はもちろん今でも大事にしまってあるとのことでした。 *きょう、5月15日、すなわち5・15事件があった日です。国を憂いて青年将校たちが決起した日です。当時、世界中にこのニュースが電報などの電信で駆け回ったことであろう。 私の本業のホームページ 不動産法コンサル・サロン http://www.estate-consultant.jp
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