先日ニュースで、伊勢神宮の「式年遷宮」が着々と進んでいることをリポートしていた。「式年遷宮」とは、伊勢神宮の正殿が20年ごとに建て替えられることを言う。伊勢神宮は、内宮(天照大神宮)と外宮に分かれているが、たぶん両方の正殿が建て替えられるのではないかと思う。 この二つの正殿以外にも100を超える社殿があるがこれらはどうするんだろう。 驚いたのは、この建物だけが建て替えられるのだとばかり思っていたらぜんぜん違う。なんと正殿の中にあるたくさんの宝物もすべて新しいものに変えるのだという。日本刀をはじめ漆塗りの器、弓矢などの武具、真珠などの宝石類・・・・ しかも20年ごとに建て替えるといっても、その建て替えに要する期間がすごい。8年もかけるのだ。あと6年後に完成するらしい。しかしどうして20年ごとに建て替えるのだろう。20年という意味がわからないのだ。だけどえらいな、天武天皇のあたりからずうーと20年ごとに1400年間にわたって建て替えてきたんだからな。途中、応仁の乱でできなかった例外を除いては。 実は仕事柄、あることの不思議さを感じている。それは数字の「6」である。というのは仙台の街づくりは、伊達政宗の街割りによってできているが、基本的には1町=60間という街区を基本にできている。大名や旗本のような偉い人は間口が広く、足軽や町人の間口は6間を基本にしている。ただ例えば荒町商店街などは、その半分の3間を間口にしているが。すべてが6や6の倍数を基本にしている。さらに一間は6尺でありこれも「6」である。 時刻もそうだ。江戸時代は今のように24時間ではなく12刻である。一刻2時間で間に合ったのだろう。一日を昼(1)と夜(1)に分ければ2分される。さらに睡眠時間を平均8時間とするならば、これは一日24時間のちょうど3分の一である。こういったことから時刻は、2と3の公倍数6の何倍かによって表現されよう。そういう意味では12時間も24時間も納得がいく。 ここでもやはり「6」が出てくる。それなのに日本の建国の神様である天照大神を祭る伊勢神宮は6の倍数ではない「20」年毎だという。なんとなくしっくりこない。 ところが先日知り合いが60歳の還暦を迎える話で盛り上がった。還暦とは何か。もともと日本の暦は60年を一サイクルとしている。これは十干(じっかん)、十二支を交互に組み合わせ60通りの干支を表示するシステムである。この干支が60年で一回りするのだ。歴史上でも60年ごとに時代が変革するといわれる。これらを総合して考えてみると、本来は伊勢神宮も60年ごとに建て替えて「神の祭政」をすべきところだが、何しろ同じものを作るためには技術の伝承がいる。そのため60年を3で割り20年ごとにしたのではないか。人間だって20歳で成人式とかある、あれ。20歳で新人として技術を覚え、40歳で中心で働き、60歳で新人を指導するという風に。 いずれにしても素晴らしいことだ。20年ごとに神様を新しい神殿に迎えるというその発想が。 神様も人間もあらゆる制度も20年、あるいは60年という超重要な節目にリセットし、再生しなければならないのだ。 それはさておき、この日本建国の聖地である伊勢神宮の方向に向かい天皇・皇后両陛下が毎朝、かしずき祈りを捧げていることをご存知だろうか。ありがたいことである。 歌人・西行も伊勢神宮を訪れて素晴らしい歌を歌っている。 「何事の おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」 伊勢神宮とは、古代からの日本の心を20年毎の再生を繰り返しながら今に伝えている日本のふるさとだったのである。
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